[ComfyMaster30] AWS上にComfyUI環境を構築しよう!(知識編) #ComfyUI
こんにちわ!AICU media編集部です。
このたびAICUは「AWS ジャパン 生成AI 実用化推進プログラム」に採択されました!
クリエイティブAIで「つくるひとをつくる」をビジョンに、「わかるAIを届ける」をコンセプトに活動しているAICU mediaは、高い技術力と、わかりやすい記事を通して今後もより一層力を入れて、AWS(Amazon Web Services)の企業での社内開発やプロフェッショナル向けの使いこなし事例を当事者目線でお届けしていきます。
本記事はプロフェッショナル向けの業務開発案件での解説であり、本来は有料記事とすべきですが「祝!AWS ジャパン生成AI実用化推進プログラム採択」キャンペーンで、期間限定で無料で公開しております。
本記事の内容は AICU Magazine Vol.7「AWSでつくる! 社内生成AI」に収録されています。Kindle Unlimitedで無料購読できるほか、B4版で見やすいペーパーバック版もオススメです。
あらためまして、こんにちわ、AICU media編集部です。
「ComfyUI マスターガイド」第30回目になります。
本記事では、AWS上にComfyUI環境を構築するテクニックを詳細に解説します。AWSをお使いのアナタにとっては、たいへんなお値打ち記事ですが、執筆してみたらかなり長かったので3編に分けて、お送りします!
なおComfyUIマスターガイドとしての初回はこちら。前回はこちら、目次はこちらです。
執筆方針
公式ドキュメントは、AWSでの環境構築についてのある程度の知識がある方を対象にしています。AWS用語では「L200-L300」といったところです。しかし、AICUとしては「つくる人」のターゲットとしてはL100の経営層やマーケティングの担当者さんから、ユーザー部門の方々、システム導入の当事者さん、例えばアニメ制作会社の独り情報システム担当さん(=なんでも一人でやらねばならないスーパーエンジニア)さんでもわかるようなお話をしていきたいと考えています。
これはAICUの全記事にに共通していることなのですが、あえてAWSについては「わかったつもり」になっていると手痛いコストになったりもしますので、丁寧に、かつ垂直に、解説していきたいと思います。
(おわび:執筆してみたらあまりに長すぎたため、当初の原稿を分割いたしました)
AWSの生成AIへの取り組み
一般消費者には認識されていないかもしれませんが、AWSは生成AIにおいてもトッププレイヤーの一社です。OpenAI、Microsoft、Googleとともに、冒頭に紹介した通りAmazon SageMakerやAmazon BedrockをはじめとするGPU基盤や Stability AI や Anthropic Claudeといったモデル生成各社との提携、AICUへの投資に代表されるような「AWS 生成 AI 実用化推進プログラム」のようなスタートアップ企業への投資、さらに公式スキル認定試験へのAI・機械学習視覚の追加など積極的に活動を行っています。
オープンソース「AWS Samples」について
さらにAWSはオープンソースへの取り組みが積極的なことが特徴づけられます。例えばAWS Samplesは、Amazon Web Services(AWS)が提供する公式のサンプルコードやリファレンスアーキテクチャのリポジトリです。これらのサンプルは、開発者やエンジニアがAWSサービスを効果的に活用するための実践的なガイドとして機能します。
AWS Samplesの中で生成AI関連のリポジトリを紹介していきます。
「GenU」がすごい!
Generative AI Use Cases JP(略称: GenU)は、AWSが提供する「すぐに活用できる生成AIのビジネスユースケース付きの安全な生成AIアプリ実装」を集めたプロジェクトです。このリポジトリは、生成AIを安全かつ効果的に業務で活用するための具体的な事例と実装方法を提供しています。ユースケースには、チャット、文章生成、要約、校正、翻訳、Webコンテンツ抽出、画像生成、映像分析など、生成AIの幅広い活用方法を網羅しています。
例えばAICUでは神奈川県と協力し、GenUを障害者向けクリエイティブワークショプにおいて利用しています。
[PR]お試し利用を希望される方は、X@AICUai にお問い合わせください。
GenUの開発やデプロイに挑戦される方は、以下のリンクよりリポジトリにアクセスすることができます。
「ComfyUI on Amazon Sagemaker」
このリポジトリは、Amazon SageMaker上にComfyUIをデプロイし、Stable Diffusionを使用した画像生成機能をアプリケーションに追加するための設計パターンを提供しています。このリポジトリを使うことで、AWSのインフラを活用してスケーラブルな画像生成サービスを構築することができます。
このリポジトリは、AWSの外部からComfyUIをAPIとして利用したい場合に適しています。AWS内でWebアプリとComfyUIの両方を起動させるサンプルは、次項で紹介する「comfyui-personalized-generative-ai-avatars-app」をご参考にしてください。
リポジトリには、以下のリンクよりアクセスください。
「ComfyUI 個人化生成AIアバターアプリ」
最後に、このリポジトリ 「ComfyUI 個人化生成AIアバターアプリ(comfyui-personalized-generative-ai-avatars-app)」は、AWS上でComfyUIとWebアプリを連携させて動作させる環境構築のサンプルになります。同封されているものは、ComfyUIと、サンプルのアプリとなるアバター生成アプリとギャラリーのストリーミングアプリになります。
「ComfyUI on Amazon SageMaker」と異なり、ComfyUIのAPIは、AWS VPC内でのみ利用でき、外部からAPIとして呼び出すことはできません。同一環境で安全にComfyUIと連携したWebアプリを稼働させるためのサンプルになります。
リポジトリには、以下のリンクよりアクセスください。
「コスト効果大なComfyUIのAWSデプロイ」
本日の最後のご紹介はこちら、「コスト効果大なComfyUIのAWSデプロイ(Cost Effective AWS Deployment of ComfyUI)」という名前のプロジェクトです。
Cost effectiveとは「コスト効果大」つまり「お財布に痛くない、AWSでのComfyUI運用」というオープンソース(MITライセンス)のプロジェクトです。AWS公式サンプルとして公開されています。
このサンプルリポジトリは、 ComfyUI を AWS 上にコスト効率が高く、堅牢なセキュリティでのデプロイを可能にするサンプルです。スポットインスタンス、自動シャットダウン、スケジュールされたスケーリングなどのコスト削減オプションを活用し、コスト効率を最大化します。
強力な AI画像生成ツールである ComfyUI を AWS 上にシームレスかつコスト効率の高い方法でデプロイ(インストールして利用)するソリューションを提供しています。このリポジトリは、AWSの主要サービスであるECS(Amazon Elastic Container Service)や、EC2(Amazon Elastic Compute Cloud)、その他の AWS サービスを活用した構成の設定を無償提供しています。しかも日本語の解説付きです。
このリポジトリは、企業が社員にComfyUI環境を提供したり、ワークショップで参加者にComfyUI環境を提供するという用途に適しているでしょう。Cognitoの設定により、セルフサインアップを可能にしたり、アクセス可能なIPアドレス制限をすることで、安全にComfyUIの環境を提供できます。また、指定した時間で利用されなかった場合に自動シャットダウンしたり、スケーリングを時間帯で制御することで夜中は使わせないなどの制御も可能です。
☆このリポジトリの説明にもあるように、このソリューションの利用については AWS の費用が発生します。また設定次第では高額な費用になる可能性もあります。費用に関する詳細情報は、コスト セクションに記載されていますが、本記事では、まずAICU編集部での実用的な実験データで計測して共有していきたいと思います。
リポジトリには、以下のリンクよりアクセスください。
無料で始める! おおまかな手順
(1) AWSのアカウントを作成
(2) クォータの引き上げ申請
(3) インストール環境をCode Editorで構築
(4) デプロイオプションの変更
(5) ComfyUI のデプロイ
(6) 利用開始!
全体の作業で初回は1時間程度、2回目以降は10分以下になります。
続いては準備編です。
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今回のAWSでのComfyUI構築をはじめ、AICUの膨大なラーニング資料を一挙動画化しました。
面白そう!と思ったアナタは、是非詳細を確認、そしてシェアをお願いいたします!
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